人名・団体名・事項一覧:こ



小石先生【人名】こいしせんせい

かあさん星71S2-IX:55【所属】小石バレエ研究所(主宰者)

すみれの小さい頃からの指導者。母の失踪以降のすみれはバレエどころではなく、ほとんど教室に通えていない。またターちゃんの誘拐事件以後は小川先生の教室に移籍してしまうので[71S2-IX : 55~62]のみ登場。

『さよなら星』の前川先生とともに、主人公の物語前史からの先生なのに、作中ではぞんざいに扱われている印象がなくもない。

交通事故【事項】こうつうじこ


黒鳥【バレエ】こくちょう

バレエ『白鳥の湖』第3幕悪の精霊ロットバルトがジークフリート王子を騙すため、花嫁選びの舞踏会に連れてきたオデットと瓜二つの娘オディール。オデットの“白鳥”に対して“黒鳥”と呼ばれている (*1)
今日の多くの舞台ではオデットとの一人二役で演じられるが、『白鳥の星』作中の大空&和田バレエ団の合同公演では、大空先生の台詞[70S3-I:41]よりダブルキャストであることがわかる。また『さよなら星』『まりもの星』作中舞台の『白鳥の湖』も、配役表ではオデット役のみ明記されており、こちらもダブルキャストの可能性が高い(少なくともすずらんが黒鳥を踊る場面はイメージし難い)。一方、マイヤ・プリセツカヤの出演する『白鳥の星』のボリショイ・バレエ団公演は当然として、『バレエ星』『バレリーナの星』では言及されないものの、いずれも海外のプロフェッショナルなバレエ団の公演でもあり、一人二役の慣例に従っているのではないだろうか。

バレリーナの星

オペラ座日本公演の代役を見事に務めた後、ひまわりはソ連(現ロシア)ロストフ市で開催される国際コンクールに招待される。母もバレエ協会の推薦で同じコンクールに参加する事になるが、ひまわりのオデット(白鳥)に対してオディール(黒鳥)を演目に選び、娘に対して挑戦状を突きつける。最終審査では新しいタイプの黒鳥を踊り、審査員はじめ会場全体を感嘆させた。ひまわりはコンクール優勝後、母の踊った黒鳥を次の課題としてさらなる研鑽を積むためウクライナに飛ぶ。

ママの星

物語終盤、つつじは原バレエ団に新しく入団したライバル・中原みさとと黒鳥の“グラン・フェッテ”を競い、自分の技術不足を思い知らされる。二人は日本バレエコンクールに挑む事になるが、つつじはみさとに対抗して黒鳥を踊ると宣言。挫折しかけながらも、ライバルのアドバイスや母の訓戒に励まされ、本選の舞台で課題を踊りぬき優勝する。

なお、『白鳥の湖』の“黒鳥”エピソードに見られる「ヒロインに瓜二つの少女と取り違える」プロットは、形を変えて〈『星』シリーズ 〉の中に採り入れられているともいえるだろう。『白鳥の星』では、カンナの生みの母である秋山かおりが、カンナと原田さゆりを取り違えてしまう一幕がある。また『バレエ星』では、かすみと“擬似的母娘関係”にある花田先生が、白川かず子をかすみと誤解して、森山バレエ団潜入疑惑からかすみのバレエ団退去にまで発展してしまう。
これらは、王子とオデットの愛による信頼関係の試練が、母娘の信頼と絆の試練に変容して顕れているとも読める。

コンクール【事項】こんくーる

舞台や番組の出演者を決めるためのオーディション(作中ではコンテスト、あるいはコンクールと呼ばれている)ではなく、出場者の技能や芸術性を競うコンクール(コンペティション)が〈『星』シリーズ 〉で描かれるのは、『バレリーナの星』終盤のソ連・ロストフ市で開催される世界バレエコンクール[75S3-I~III]が最初となる。連載が始まる1973年に十代のダンサーを対象としたローザンヌ国際バレエコンクールが始まり、また連載中の1974年には森下洋子がヴァルナ国際コンクールで金賞を受賞するなど、日本でバレエを学ぶ若者たちの世界への飛翔が夢ではなくなった時期という事も、主人公の国際コンクール挑戦という展開を導き出しているといえる。
そして『バレリーナの星』連載終了後の『ママの星』「小三」連載分では国内コンクールの制覇と海外への挑戦の予感、続く『アマリリスの星』では作品全体のクライマックスがバレエ学校を挙げてのコンクール参加とグランプリ受賞、というストーリー立てとなっている。少女たちが、他者に見出されるのを待つだけではなく、“チャンスを自ら掴みに外に出る”時代の流れもそこに表れているのだろうか。


  • 最終更新:2019-05-09 15:50:20

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