69S2-XI (小二・十一月号)
バレエ星 | |
掲載 | 「小学二年生」昭和44年十一月号 |
頁数 | 扉+「バレエ星のうた」のレコード案内+21p. |
総コマ数 | 71 |
舞台 | 滝のある山中(前回の続き)/中田医院 |
時期 | 1969年秋 |
梗概 | 滝に打たれながら祈るかすみの上に大きな岩が落下、直撃は避けたものの、そのまま川に流されあわや滝壺に転落という事態に。かすみはヘリコプターに救助されるが、足を痛め、一時的に目も見えなくなってしまっていた。失望するかすみの耳に響く母の声。彼女はその声に誘われるまま、谷を越え山の森深くに歩いてゆく。 |
扉絵 | 4色/「谷ゆきこ」 |
あわや滝壺に落下…母の声に誘われて、かすみは山中をさまよう
☆ これまでのお話 [0~3]
★ 滝行②ヘリコプター救出劇 [4~36]
[11] 滝を落下するかすみ
[13] 木の枝を掴むかすみ
[15] 「どうしましょう。たいへんなことになったわ!」
[29~36] 自衛隊ヘリ
★ かすみの入院と失明 [37~52]
[42] 「わたしがわるかったわ。あんなところにつれて行かなけりゃよかったの」
[43] 「やぶ医院」
[44] 「早く元気になって、たすけてくださった人たちに、おれいをいわなくちゃ」
[51] 「ひるま?夜だとばかり、思っていたのに…」
★ バレエ人形の夢 [53~63]
生命を吹き込む想像の力
バレエ『くるみ割り人形』を思わせる、短いながらもファンタジックな場面。
低学年誌掲載分ならではの“おとぎ話的情景”がここで展開している。
視力を失った状態だからこそ、人形に生命の息吹を与え、そのイメージの中で共に踊る事ができるーーそのような“目に見える現実の現象に囚われない想像力の飛翔”は、後年の『まりもの星』で、失明した状態のりつ子が、聞き識った伝説をもとにバレエ台本を書き上げ、現実の世界で主人公母娘の絆を回復させるエピソードにつながってゆくものといえる。
同様に、特に本作においては、目に見える現象の世界ではない「ゆめの世界」 (*1)を現実の舞台上で息を吹き込もうとする、“台本作家”としてのかすみのイメージ力を想起させる場面でもあるだろう。
[53] バレエ人形を抱きながら涙するかすみ
[56] 動き出す人形
★ 母の呼ぶ声 [64~71]
- 最終更新:2019-12-04 13:17:43