かあさん星 |
掲載 |
「小学四年生」昭和48年四月号 |
頁数 |
扉+6p. +名場面集4p.+すみれちゃんコーナー2p. |
総コマ数 |
19 |
舞台 |
前号の続き |
時期 |
前号の続き |
梗概 |
すみれは視力を失い、ターちゃんは火傷の跡に傷つき…白鳥社長はそんな二人を優しく慰める。幸いにも、身を寄せた家庭の夫人も心の広い優しさを持った人で、自分の子供達にすみれ姉妹と仲良く暮らすよう諭す。門前ですみれと出会ったかおるは、すみれを紹介されるや「うちもすみれちゃんと一緒にバレエ習うわ」と宣言、すみれが現在の困難を乗り越えてバレエに打ち込めるように、いつも傍で助けると話す。その言葉にすみれは勇気づけられて、バレエを再び始める意志を固めた。あの目の不自由な名バレリーナ、アリシア・アロンソのように… |
扉絵 |
単色/「谷ゆきこ」/「かなしいバレエまんが」 |
目の不自由を乗り越えて…再びバレエの道へ
☆ これまでのお話
★ 「うち、いつもすみれちゃんのそばに、いてあげるわ」 [1~19]
[4] かおるの妹
東京のすみれの友達だった少女と同じ「ゆみ子」という名前。母親は心優しい人格者で、ゆみ子も素直な性格の子供である。
[6~10] 無言のまま雑誌を読み耽るかおる
母が妹を諭す言葉を聞き流す態でありながら、すみれにどう接しようか思い巡らしているのだろう。[13]の初めての台詞は、その彼女が自分なりに見つけた結論である。
[7] 「美しい少女」
昭和34~43年に刊行された学習研究社の少女向け雑誌「美しい十代」のもじりか。
[10] すみれの後ろから様子をうかがうターちゃんと、お母さんの後ろから顔を出すゆみ子
[9]に描かれる表情にも見られるように、ターちゃんはまた「おばけみたい」と言われないかどうか心配している。ゆみ子の方は、お母さんの諭しを聞き分け、ターちゃんと仲良くなろうとしているが、少し照れも混じっている。
[13] 「うちもすみれちゃんといっしょに、バレエならうわ」
彼女の引き出した結論は、「すみれと同じ目的を自分も一緒に歩む」という、大人の論理からすれば大胆なものだった。
しかし「眼の不自由なすみれちゃんにバレエを?」とかおるの母は当惑気味。
[14] 「あら、そやかておかあさん、いつもやる前からあきらめたらあかんいうてるやないの」
しかしかおるにはかおるなりの理屈がある。何よりもすみれが「バレエを続けたい」という意志を秘めている事を察し、彼女のために何かしてあげたいという強い想いが、大人の常識を超越する。
[16] 「うち、いつもすみれちゃんのそばに、いてあげるわ」
そしてその言葉通り、彼女はすみれの眼となって支え続けることになる。〈『星』シリーズ 〉で主人公に対して献身的に親身になって接する友人キャラクターの存在は珍しい。
(*1)
[19] 「やるわ。キューバの名バレリーナ、アリシア・アロンドさんのような、目のふじゆうなバレリーナに…」
「アリシア・アロンド」は[72S3-XI]で既出の「アリシア・アロンゾ(アロンソ)」の誤植。